夏恋~それは永遠に~

俺の顔に、笑顔が広がった。


でもそんな俺とは対照的に、菜々の顔がだんだん暗くなった。


「菜々?」


「・・・怖い」


そう言って、唇を噛みしめた。


「もしほんとなら、嬉しいけど。でも・・・」


「明日一緒に、病院に行こう。それから、いろいろ考えればいい」


「うん」


ゴロンと、菜々が俺の膝に頭をのせて来た。


「まだ気持ち悪い?」


「もう大丈夫」


菜々の髪を、そっとなでてやる。


流産。


きっと菜々の頭には、この二文字が浮かんだんだろう。


またそうなったら、どうしようって。