少しだけ、口に入れた。


「あっ、やわらかい」


「マジ?」


失敗したのかと思って、俺も急いでそうめんを口に入れた。


「あれ?普通じゃん」


茹で過ぎたわけではなく、茹でなさ過ぎたわけでもない。


麺の硬さは、ちょうどよかった。


「菜々、わざとだろ?」


俺の隣で、菜々がくすくす笑ってる。


「ばれた?」


「あんな、不安になるだろ」


「ちょっとからかっただけ」


「てか、元気なんじゃん」


「おそうめんがおいしいから」


そう言って、二口目をすすった。