「んっ・・・」


タオルが冷たかったのか、菜々の目がゆっくり開いた。


「ごめん、起こしたな」


「おかえり」


俺に向かって、小さく笑った。


「ごめん。ご飯の支度、何にもしてない」


「気にすんな」


「タオル、気持ちいい」


俺は菜々の前髪をかきあげて、タオルを額に当ててやった。


「エアコン、つければいいだろ」


「あんま好きじゃない」


「そっか」


「ふー」


菜々が大きくため息をついた。


「だるい?」