「ただいま」


暑い暑い夏が始まった。


俺と菜々が出会って、もうすぐ1年になろうとしていた。


「菜々~」


19時頃に帰っても、まだ外は明るい。


リビングに行くと、ソファーで菜々が眠ってた。


まだ少しだけ顔を出してる夕日が、菜々の顔を赤く照らしてる。


「あーあ。汗かいてる」


家の中は、扇風機が回ってるだけだった。


「エアコン、つければいいのに」


ソファーの周りには、畳んだ洗濯物。


その中からハンドタオルを見つけて、それを持ってキッチンの水道に向かった。


冷たい水でタオルを濡らす。


しっかり絞って、菜々のもとに戻った。


額に浮き出た汗を、そっと拭く。