「菜々、俺もう大丈夫だから」


菜々をぎゅっと抱きしめて、俺たちはまだ太陽が顔を出してる時間から眠りに落ちていった。


久しぶりに、深い眠りだった。


夢を見た。


ばあちゃんとの思い出が、一気に夢に出て来た。


どのばあちゃんも、俺が好きだった笑顔だった。


優しく、俺に微笑んでる。


ばあちゃんが、何か言ってる。


ああ、そうだ。


ばあちゃんはいなくなったけど、俺の心にはずっと生きてる。


それを忘れてた。


菜々ちゃんを大切に。


夢から覚める前、ばあちゃんがそう言った。


わかってるよ。


男は女を守るんだ、そう言ってばあちゃんは俺を育ててくれたんだから。