そう言って、俺に抱きついてきた。


「山下さん。点滴終わりました?」


ちょうど菜々が俺に抱きついたとき、看護師さんが顔を出した。


「あっ」


顔を真っ赤にして、俺から離れる菜々。


「外しますね」


一人で照れてる菜々を見ながら、俺は苦笑してた。


「ちゃんと食べて寝て下さいね」


「ご迷惑おかけしました」


「いいえ。それじゃあ、お大事に」


帰っていいとの許可が出て、俺たちはタクシーに乗って家まで帰った。


車は、会社に置きっぱなしだったから。


「充、寝たら?」


「ああ。菜々も一緒に寝る?」


「私も寝る。充のせいで、疲れたから」