夏恋~それは永遠に~

いつまでも、落ち込んでちゃいけないって。


ばあちゃんの死は、必ず乗り越えなきゃいけないって。


俺には、心配してくれる人がたくさんいる。


俺のために泣いてくれる、奥さんがいる。


「菜々、いつまでも泣いてるなよ」


「充のせいだもん」


確かにそうだけど、今それを言うところじゃないだろ。


「ほら、点滴終わるから看護師さん来るぞ。泣いてたら恥ずかしいだろ」


「うん」


ごしごしと自分の腕で、涙を拭く菜々。


それから、俺にニッコリ笑った。


その笑顔を見て、俺も自然に笑顔が出た。


俺は、この笑顔を守らなくちゃいけない。


俺のせいで、泣かせてはいけない。


「久しぶりに充の笑った顔見た」