見つからないイライラと、暑さのイライラ。


両方重なって、頭から湯気が出そうだった。


もちろん、わかってるよ。


バカなことしてるって。


たった一回会っただけの、ナンパ男を見つけ出そうとしてるなんて。


私は少し陰になった、石段のところで休むことにした。


「楽しそうだな」


海で遊んでる人たちを見て思った。


私もつい1ヶ月前は、遊んでたっけ。


「美希について来てもらって、一緒に遊べばよかった」


一人で来たことを、後悔した。


だって、ほんとに楽しそうなんだもん。


いや、遊びに来たわけじゃないけどさ。


わかってるけど・・・海入りたい!


そのとき。