夏恋~それは永遠に~

「そんなことないです」


野島さんっていう、充より一つ年下の彼はプルプルと首を横に振った。


「点滴が終わったら帰っていいそうです。あそこの病室に居ます」


「ありがとうございます」


私は野島さんに頭を下げた。


「落ち着いてますね。会社の奴なんか、みんな大慌てで」


「何となく、こーなるんじゃないかって予想はしてたから」


「俺たちも心配してたんです。最近社長、働き過ぎだって」


「ダメですね。社員に心配かけるなんて」


「しばらくゆっくりしてくださいって伝えてください。俺たちで仕事は何とかしますって」


「ほんとに、ごめんなさい」


「謝らないでください。倒れてよかったですよ。じゃないと社長、働き続けますよ」


「そうですね」


私はもう一度彼に頭を下げて、充が眠ってる病室に入った。


そこには腕に点滴をされて、深い呼吸をして眠っている充の姿があった。