「おいしくない」


独りのご飯は、おいしくない。


自分の食事もそこそこに、充の分をよそう。


「充、ご飯」


「ああ」


パソコンから目を離さず、気のない返事。


私は大きなため息をつくと、食事を寝室まで運んだ。


「ここ、置いとくよ」


折りたたみ式の小さなテーブルを出して、充が仕事をしてる机のすぐ傍に置いた。


「ありがとう」


「ん」


食べて欲しいから、ご飯はおむすびにした。


これなら、片手で食べられるでしょ?


あとは、お味噌汁と煮物。


鮭もあったけど、それはおむすびの中身のした。