「充、ご飯だよ」


「ごめん、後にする」


「わかった」


私はそっと、寝室のドアを閉めた。


おばあちゃんが亡くなってから2週間。


6月も終わりに近づいていた。


おばあちゃんが亡くなってから、充はハードに仕事をこなしている。


家の中でもずっと、資料に目を通してるか、パソコンを動かしてる。


それにたぶん、今まで以上に老人ホームとかの施設を見て回ってる。


毎日、違う施設のパンフレットを持ってくるから。


前に充が言ってた。


ヘルパーさんとかの派遣をするのに、自分の目で施設を確かめないと派遣なんて出来ないって。


充は、仕事でおばあちゃんのこと忘れようとしてる。


だから、今まで以上に働いて。


必死になって、忘れようとしてる。