「これ」


アルバムの中には、小さいときの充。


それから、今よりずいぶん若いおばあちゃん。


「これ、幼稚園のときの運動会」


充が一枚の写真をさして、私に教えてくれた。


「おばあちゃんだけ?」


そこには、充とおばあちゃんしか写ってなかった。


「父さんと母さんは忙しかったから、こーゆー行事にはばあちゃんが来てくれてたんだ」


「そうなんだ」


「こっちは小学校のとき」


「あは。小さい」


「2・3年のときかな」


「こっちは、お義母さんもいるね」


「ああ。それは、中学のとき」


一枚一枚、アルバムをめくっていく。