私は産むって決めたけど、私と同じことになったら堕ろしてしまう子だっているかもしれない。


そんなの、悲しすぎる。


だから、言うの。


ちゃんと、避妊してくださいって。


8月最後の日曜日。


天気がいいこともあって、海にはまだたくさんの人がいた。


「いるのかな?」


サーフボードを持った人を、一人一人確かめながら歩いた。


「てか、サーフィンやってるってのほんとかな?」


私と寝たとき、ナンパ野郎は耳元でこう囁いた。


休みの日はここでサーフィンやってるから、いつでも会いに来て。


日焼けした肌とかきれいについた筋肉とか見たら、やってるっぽいけど。


ギラギラ照り付ける太陽。


「暑っ!」


もう、何でこんなに暑いのよ!