充の目は、不安で揺れていた。


「私がいるから」


ぎゅっと、充の手を握った。


少しでも、震えが収まるように。


夜中ってこともあって、病院の中は暗かった。


その暗さが、さらに私たちを不安にさせた。


エレベーターに乗って、小走りでおばあちゃんのところまで行った。


ナースステーションの明りが見える。


「充留、菜々美ちゃん!」


ナースステーション近くの長椅子に、お義母さんが座ってた。


そのすぐ傍には、険しい顔をしたお義父さんが立ってる。


「母さん、ばあちゃんは?」


充がものすごい勢いで、お義母さんに聞いた。


「とりあえず、座って」


暗い表情をして、お義母さんは私たちが座れるように席を空けた。