「まあ、頑張りたまえお母さん」


そう言って、私の肩を叩いた。


「頑張る!」


「なんか進展あったら、電話して」


ケータイを胸元で振りながら、美希は帰って行った。


その後姿を見送りながら、私も自分の家に足を進めた。


産むって決めた。


決めたなら、頑張らないと。


人一倍、何に対しても努力しないと。


シングルマザーは大変。


テレビとかで見て、知ってる。


でもだからって、この子を堕ろすことはしたくない。


だって、生きてるんだもん。


どんなに小さくても、私の中で生きてる。


だったら、大切に育てたい。