「お義父さんとお義母さん、大丈夫かな?」


「ああ」


帰りの車の中で、菜々が心配そうな声を出した。


「私たちは、たまにだからさ」


「そうだな」


菜々が言いたいことが、はっきりわかった。


毎日ばあちゃんのボケに付き合ってたら、父さんも母さんも大変だ。


俺たちはたまにだから、笑って何回も同じことを説明できる。


でもそれが、毎日となると・・・


「良くは、ならないんだよね」


「こればっかりはな」


ため息をつくしかなかった。


「私も頑張ろ」


「えっ?」


「ボケないように」