夏恋~それは永遠に~

『かわいすぎだろ』


そう呟く、俺の声がした。


「ごほん」


父さんの咳ばらいが聞こえた。


「やべっ」


あのときの俺の声が、はっきり残ってる。


ちらっと菜々を見ると、カーッと顔を赤くしてる。


たぶん俺も、菜々と同じ顔の色だ。


「充、もうダメ」


菜々が俺の服の袖を引っ張った。


「はい。終了」


俺はビデオの停止ボタンを押した。


最後に映ったのは、菜々があの白人に話しかけられたところだった。


ってことは、最初から最後まで見てしまったということだ。


テレビのチャンネルを、真面目なニュースに変えた。