さすがに恥ずかしくなった俺たちは、海を出た。


自然に菜々が、俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。


「こうやって歩いたら、転ばないね」


「菜々、転ばないのが目的?」


充は私に、ちょっとだけ呆れた目を向けた。


「違うよ」


腕を外して、手をつないだ。


足首くらいまで来る水を、パシャパシャ音を立てながら歩く。


「充とね・・・」


「ん?」


「充とこうして歩くのが、好きだから」


自分で言った言葉に照れてる菜々と、菜々に言われた言葉に照れてる俺。


握ってた手に力を込めると、菜々が頬を少しだけ赤く染めて俺を見た。


その笑顔を見て、俺はさらに顔を赤くしてしまった。


やっぱり菜々には敵わない、そう思った。