でも、すぐに笑顔になって。


「充、大好き」


そう言って、俺の腰に手をまわしてきた。


「はぁ~」


ダメだ俺。


俺はこれから一生。


菜々の傍に居る限り、俺は菜々には敵わない。


きっとこの、無意識に出ているであろう言葉や行動に俺は一生振り回される。


「充、私変なこと言った?」


「えっ?」


「だって、ため息つくから」


心配そうな顔で、俺を見上げた。


「いや、言ってないよ」


「よかった」


安心したように、ニッコリ笑った。