美希が、おしぼりをぎゅっと握った。


捜しだす?


「美希、私・・・」


「なに?」


思いっきり、不機嫌な声で美希が答えた。


「捜しだす」


「はっ?」


「私、あいつを捜す」


「あいつって?」


「ナンパ野郎」


「何言ってんの?捜すって、心当たりもないくせに」


「あの海にいるよ、きっと」


「なんでわかるのよ」


「だって言ってたもん。休みの日は、あの海でサーフィンしてるって。まだ暑いから、きっといる」


「見つけてどうすんの?」