今までビデオの画面に菜々しか映ってなかったのに、いつの間にか知らない男が映ってた。


「誰だよ、あいつ」


ムカつく。


菜々に話しかけてるんじゃねえ。


てか、笑顔で答えてる菜々にもムカつく。


菜々がこっちを指さした。


菜々に話しかけた、白人っぽい男がこっちを向いた。


俺はビデオを置いて、そいつを睨んだ。


そいつは俺の存在を確かめると、菜々の頬にキスを落としどこかに行ってしまった。


「マジムカつく」


菜々は菜々で、恥ずかしそうにうつむいてるし。


俺は立ち上がって、急いで菜々のもとに向かった。


「菜々」


「あっ、充」


「あっ、じゃないし」