「菜々今、キスされると思っただろ?」


声を上げて笑いながら、私の隣に充が座った。


「もしかして充、私のことからかった?」


「理解早いじゃん」


目に涙を貯めて、まだ笑ってる充。


私は、フツフツと怒りが湧いてきた。


仕返しに、私が感じたくらいドキドキさせてやろうと思った。


「充、こっち向いて」


「えっ?」


私は充がこっちを向いた瞬間を見逃さないで、充の唇を奪った。


「菜々?」


「べーっだ」


顔を真っ赤にしてる充に、ベーっと舌を出して立ち上がった。


そのまま海に、歩いて行く。


充の真っ赤になった顔を見たら、少しだけ怒りが収まった。