「ふーん。大好きなんだ」


「わっ!」


顔を上げると、充がニヤニヤしながら立ってた。


「違うの、これは」


私は急いで、文字を消した。


「なんだ、違うのか」


充はポタポタ水が滴る髪を、かき揚げた。


少しだけ遠くを見て、なんだか悲しそうな顔をした。


「充?」


「菜々は俺のこと、好きじゃないんだ・・・」


「はい?」


なになに?


いじけモード?


「好きじゃなんだ・・・」


そう言って、大きなため息をついた。