「いいよ」


「ほんと?」


菜々の語尾が上がった。


「あっ、でもいい」


「何だよ、自分から言っといて」


「だって、恥ずかしいんだもん」


そう言って、また顔を赤くした。


「そんなに顔赤くしてると、元に戻んなくなるぞ」


そのまま俺は、菜々を抱き上げた。


「きゃっ」


「満足?お姫様」


「うん」


菜々の望み。


ウエディングドレスを着て、お姫様だっこされたい。


俺が菜々を抱き上げると、周りから「ヒュー」という歓声が聞こえた。