そう言って、少しだけ頬を膨らませた菜々。


でもすぐに笑顔になった。


「ねぇ、充」


「なに?」


「一個だけお願いあるんだけど」


「なんだよ」


「あっあのね・・・」


菜々が、かーっと顔を赤くした。


「耳貸して?」


「ああ」


「あのね・・・」


俺は少ししゃがんだ。


俺の耳元で話し終わると。


「ダメ?」


って、上目使いで聞いてきた。