二人で選んだ指輪。


さりげなく斜めのラインが入ってて、私の指輪には小さなダイアがついてる。


優しい雰囲気の指輪。


「誓いのキスを」


充が私のベールを上げた。


「菜々、菜々に会えてよかった」


「私も」


誓いのキス。


唇を離すと、祭壇の向こうの海がキラキラ光ったのが見えた。


「充」


「ああ」


天井からも、キラキラと光る暖かな光が私たちを包んだ。


「きっと、あの子だね」


「きっとな」


天国で、あの子が微笑んでる気がした。