「菜々の友達、俺の友達。あと、親戚?」


「そうだね」


「菜々、幸せ?」


「うん。充は?」


「俺も幸せ」


菜々はソファーの正面の壁に目を移した。


そこには、一枚のエコー写真。


まだあの子が、菜々のお腹で生きてたときのだ。


「赤ちゃんも、幸せ?」


菜々が少し顔をあげて、俺に聞いてきた。


「当たり前だ。パパとママが結婚するんだぞ」


「うん」


菜々の細い腕が、俺のお腹のあたりに回った。


「菜々」


充の温かな唇が、私の唇に下りてきた。