俺はまた、菜々を自分の膝の中に戻した。


「菜々はここに居る」


「なんでよ」


「菜々どいたら寒いじゃん」


「湯たんぽ代わり?」


「そう」


充がニッコリ笑った。


「こうすればいいだろ?」


そう言って充が、自分の腕を私の前に持ってきた。


「一緒に見ればいい」


それから、パンフレットを広げた。


「うん」


式場は決まった。


私たちが出会った海の近くの教会。


ほんとに近くて、波の音が聞こえるの。