「やだ、充」


「ごめん」


「痛いってば」


「だってちょうどいいから」


「もー」


菜々は頬を膨らませながらも、俺の胸に背中を預けてきた。


風呂から出た後、俺と菜々はソファーに座って式場のパンフレットを見ていた。


と言っても、菜々は俺の胡坐をかいた中だけど。


菜々の頭の高さが、パンフレットを置くのにちょうどいい高さになってるから、ついつい菜々の頭の上に置いてしまう。


「この角が痛いの」


パンフレットの角が、菜々の頭に刺さるらしい。


「ごめんって」


「やっぱ隣に座る」


そう言って、俺の足から下りた。


「ダメだって」