夏恋~それは永遠に~

「うん」


私が顔を上げると、充と視線がぶつかった。


「菜々、俺初めて言うかもしれない」


「えっ?」


充が深呼吸したのがわかった。


「俺と・・・結婚してくれますか?」


「充」


「俺たちほんとに突然結婚したから、大事なこといっぱい忘れてた」


「大事なこと?」


「プロポーズの言葉も言ってないし、指輪も」


「指輪?」


「結婚指輪。ごめんな、まだあげてなかった」


「そういえば。私も指輪なんて、忘れてた」


「俺たち、結構冷静に物事決めたつもりだったけど」


「でもほんとはお互い、いっぱいいっぱいだった?」