夏恋~それは永遠に~

納得いかないって顔で、俺を見た。


「かわいいにしときな。菜々に大人の魅力を求める人なんていないから」


「ちょっと。今何気に、ひどいこと言わなかった?」


「別に」


背中の方から、ザザーと波の音がした。


「きゃあ!」


「菜々?」


「濡れた~」


パンプスのかかとの方が、冷たい海の水に濡れた。


「冷たい。もっと後ろ下がろう?」


「ああ」


波が来ないあたりまで、後ろに下がった。


「なぁ、菜々」


「ん?」


「俺たち、ここから始まったんだよな」