夏恋~それは永遠に~

「だーれも居ないね」


「冬だからな」


「じゃあこの海、二人で独占だね」


「そうだな」


俺は菜々の手を取った。


「寒くない?」


「ちょっと」


俺は自分のコートを広げて、その中に菜々を入れた。


「菜々は小さいな」


「バカにしてる?」


菜々が俺を見上げて、そう言った。


「してないよ」


「ほんとに?」


「小さくてかわいいって意味」


「小動物みたいに、言わないでよ」