「充」


菜々の声がして、俺はドアの方を椅子ごと振り返った。


「なに?」


「こっち来て」


俺は眼鏡を取って、菜々のところに行った。


「なに?」


「こっち」


そう言って連れて来られたのは、リビング。


「座って」


なぜか、ソファーに座らされた。


「動いちゃダメだからね」


「ああ」


念を押されて、うなずいた。


菜々を目で追っていくと、冷凍庫からアイスを取り出してた。


それを持って、俺のところに戻ってきた。