菜々の淹れたコーヒーを一口飲んだ。


「ダメだよな、俺」


独りため息をついた。


菜々があそこまで考えてくれてるなんて、思わなかった。


「てか、アイスかよ」


菜々がアイス食べたいって言ったときは、正直びっくりした。


それで、いいのかよって思った。


たった300円だぞ?


それで許されるのか?


寒い中、買いに行かせるのがバツだったのか?


「まっ、いいか」


明日からは、気をつけよう。


コーヒーを飲むと、少し冷めてた。


温かいものは温かいうちに。


菜々の言ってた意味が、わかった気がした。