充が困った顔して、私を見た。


そんな顔しても、許してあげないんだから。


「菜々・・・」


「充、私がどんな思いでご飯作ってるか知らないでしょ?」


「えっ?」


「充が一生懸命働いてるから、身体壊さないように栄養のあるもの作ろうとか。寒いから、温かいものがいいよねとか。考えて作ってんだよ?それなのに、ご飯のところまでパソコン持ってきて」


言いだしたら止まらない。


「充は私の気持ち、何にもわかってない!考えたことも、ないんでしょ?」


「菜々」


「確かに私がこうやって生活出来てるのは、充のおかげだよ?それでも、充に私の気持ち、踏みにじる権利はない!」


いつの間にか、立ち上がってた。


「仕事が忙しいのは、わかるけどさ。たった30分だよ?その時間だけでも、ご飯に集中出来ないの?私と、話そうと思わないの?」


涙を必死に我慢した。


泣いたら、負ける気がしたから。


それでも涙で滲んだ目を見られたくなくて、充に背を向けた。