「うん」


「もっと言うと、お母さんのお腹に小さな命が宿ったときから、その子には生きる意味があるって俺は思う」


「うん」


「きっとこの子は、俺たちを出会わすために、菜々のお腹に来てくれたんだよ」


「そうなのかな?」


「きっとそうだ」


「だったら、どうして産まれてきてくれなかったのかな?」


「俺たちが上手くやってるのを見て、それで天国に行ったんだと思うよ」


「うん」


「悲しいことだけど、神様が与えた生きる意味を達成したら、人は天国に連れていかれるんだ」


「うん」


「だから、この子は一生懸命生きた。一生懸命、生きてくれた」


「そうだね」


「菜々のお腹で生きて、俺たちを出会わせてくれたことに感謝しよ?」


「うん」