私は、大事なことを忘れてた。


充を好きって気持ち。


好きだから、一緒に居る。


好きだから、一緒に辛いことを乗り越える。


乗り越えていける。


「充」


「ん?」


「好き」


「俺も好き」


充が私の涙を拭いた。


「菜々、あの子がどうして菜々のお腹に宿ったか考えたことある?」


「うんん」


「あの子の生きる意味、いや生きた意味って、何だったと思う?」


「生きる意味?」


「人はね、生きる意味を持って産まれてくると俺は思うんだ」