私は身体を起こそうとした。


でも熱のせいか平衡感覚を失った身体は、充の方に思いっきり傾いた。


とっさに、充が支えてくれた。


「起きない方がいい」


「でも、話したいから」


充がベットの端に座って、私を抱きしめる形になった。


「充、ごめんなさい」


「ごめんは、もういい。菜々は謝ることなんて、何もしてないんだから」


「私は、充の迷惑になるだけ」


「そんなことない」


「赤ちゃん、いなくなちゃった。もう、私たちも・・・」


「終わりってこと?」


「だって、一緒に居る意味がなくなちゃった」


「菜々は、俺と別れたいの?」


「それは・・・」