「産みますか?産みませんか?」


「それは・・・」


返事に困った。


私は、どうすればいいんだろう。


「妊娠した相手がわかってるなら、その人とよく相談してください」


「はい」


「産まないなら、早めに病院に来てください。中絶は、あたなの身体にも負担がかかる」


中絶・・・


先生の言葉が、心に刺さった。


中絶ってことは、この子を殺すことになる。


自然に手が、お腹にいってた。


「なるべく早く、ですよ」


私に、念を押すように先生が言った。


「わかりました」


そう答えて、診察室を出てきた。