また心臓が動いてくれるのを、祈った。


私たちが出会ったのが、奇跡なら。


この子にも、奇跡が起きるって。


そう思った。


でも・・・


「二人で赤ちゃんが動いてないことを、確認してください」


奇跡は起きなかった。


「これ以上お腹にとどめておいたら、身体に良くありません。早く赤ちゃんを外に出してあげましょう」


「原因は?」


「赤ちゃんの生命力が、弱かったんです。山下さんのせいでは、ないですよ」


「菜々」


いつの間にか、涙が流れてた。


それは、止まることを知らないで。


いつまでも、流れ続けた。


ごめんね、赤ちゃん。