その夜、充が私の親と充の親に電話した。


「うん、そう。・・・聞こえなくて」


その声は、今までで一番暗い声だった。


それに、とても辛そうな顔をしてた。


充にそんな顔をさせた。


心が、潰れそうだった。


ベットに入っても、なかなか眠れない。


「菜々、まだ起きてたの?」


寝室に行くと、ベットの中で菜々の目がパッチリ開いていた。


「眠れないの」


涙が、頬を伝った。


「菜々、泣くのはやめよう」


「充・・・」


「信じよう。奇跡が起きるのを。俺たちが奇跡的に出会ったみたいに、きっとまた動いてくれる」


「うん」