「あっ、うん」


充がお皿を持ってきながら、私の顔を覗いた。


「何考えてた?」


「充の実家では、ご飯食べながら新聞読むのかなって思って」


「ああ。父さんがそうだったけど」


「ふーん。遺伝か」


「遺伝ってゆーか、習慣だよな」


「ふーん」


私はまたお皿を洗い始めた。


「じゃあ、行ってくるよ」


「いってらっしゃい」


「病院終わったら、電話して」


「ん。わかった」


充に手を振ると、ニッコリ笑ってキッチンを出て行った。


私も急いで片付けなきゃ。