~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

「やっぱそーゆーわけかいな」

 ギリリ、と常磐は奥歯を鳴らす。麟紅も右目に意識を集中させ、臨戦態勢に入る。
 しかし、ネロはあくまでゆっくりに、といった感じで笑って見せた。

「まあまあ、落ち着いてください。少し僕の世間話でも付き合ってくださいよ」

「テメエの世間話なんか知ったこっちゃねえ!」

 麟紅が吼える。

「ふーん、そんな態度とるんですねえ」

 突然、ネロの柔らかな笑みが冷ややかなものに変わった。見るものを一瞬で凍らすような、冷たい目に。

「……じゃあ、“コレ”を見てもそんな態度でいられますか?」

 パチン、とネロが指を鳴らすと、ネロの背後の暗闇から一人の少女が歩いてきた。