~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

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 雨が降っていた。
 ずいぶんと土砂降りである。
 今朝も雨が降っていて、学園までは傘を差して歩いて来ていたので雨に濡れて帰る心配は要らなかった。
 ただ、「常磐と丁次は雨に濡れなかったか?」とだけは、さすがに思う。しかし傘を借りようと店に戻ってこなかったことを考えると、おそらくそのときはまだ雨も降っていなかったのだろう。
 麟紅は一人、街灯に照らされた雨の道を、一人歩いて帰る。