~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

 藍奈が投げたものを麟紅が拾うと、それはリンゴだった。藍奈と紫音の後ろに立つ茜がリンゴがたくさん入ったバスケットを持っていることから、おそらくこれは見舞いの品だろう。食べ物を粗末に扱うな。

「い、いいいちおー感謝はしてるんだからね……!」

 ふん、と顔を背けて藍奈は言った。どこからどう見てもその顔は真っ赤だ。わかりやすいヤツ、としみじみ麟紅は思う。

 とまあそんな感じで紫音と藍奈と茜は麟紅と常磐のベットに腰掛けた。
 とりあえず常磐の口からこれまでの経緯(いきさつ)と事後報告をする。何があったか三人は知らないのだから事後も何も無いのだが。
 それから紫音による麟紅へのお説教タイム。麟紅が必死で自分に非が無いことを説明するが、紫音は聞く耳を持たない。
 ここまでで茜は三個のリンゴを平らげていた。