~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

 前回り受身からすぐさま立ち上がり、麟紅は炎の剣を構えなおす。

(さっきの一瞬……コイツ……)

 麟紅は驚いた。
 たった数度の攻撃で、ネロは麟紅の攻撃を読み、防御の効かない左側の死角へと入り、鋭い一撃を麟紅に与えた。
 麟紅はネロのそのセンスの高さに感嘆した。

(ヤベぇぞ……こりゃマジでさっさと終わらせねぇと……!)

 考える麟紅を無視するかのように、ネロはまたも一瞬でその距離を詰める。

「速(はえ)ぇ!!」

 反射的に前へかざした炎の剣が偶然氷の爪を捕らえた。
 威力を重視した、両手を重ねた一撃。
 麟紅は戦慄を感じた。