~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

 意識が炎の剣に集中しているせいか、ネロはあっけなく転んだ。
 追撃にと麟紅が炎の剣を突き刺そうとするが、そこはやはり簡単にはいかない。
 ネロは闇の翼で眼前まで迫り来る炎の剣を受け止める。
 すかさずネロは立ち上がり、もう一度氷の爪を振り上げる。今度は両手。

「ボディががら空きだ!!」

 攻撃が来る前に鼻っ柱を殴り飛ばそうとネロの懐に潜り込むが、そのときにはすでにネロはいなかった。

「テんメェががら空きなんだよ!!」

 左後ろからかかった声に、慌てて麟紅は前に転んだ。
 宙をかいたネロの爪は麟紅の服の背中のところを斜めに裂いた。