~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

 慣れない天皇(すめらみこと)の竜の竜王術の行使、明らかに普段はしないであろう近接戦、麟紅と帝の竜の業火を見たとき感じたであろう焦燥感や不安感。それらはネロというルーン魔術師の体力を肉体的にも、精神的にも大幅に削り取ったに違いない。
 それでも目の前の少年は戦おうとしている。
 少年を突き動かすものは何か。

(さっさとくたばってくんねぇと、さすがにこっちもヤベぇぞ……)

 対して麟紅はネロよりも多く傷を負ってはいるものの、そのほとんどは浅く、路地裏でケンカ慣れした麟紅にとっては蚊に刺されたようなものだった。
 体力的にもまだ余裕はある。精神的にも自信はある。
 だが、あまり勝負を長引かせたくはなかった。