~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王

「常磐あ! お前魔力の方は大丈夫なのか!?」

 振り返って麟紅は叫んだ。常磐はもう後方二十メートル程のところにいた。

「わからへん! でも残りちょっと位はありそうや! こっちはこっちでなんとかしてみせるけん、そっちはそっちで……!」

「おしゃべりはそこまでだよ」

 常磐の言葉が終わる前に、麟紅の後ろから氷よりも冷たい声がかかった。

 突然、黒い何かが麟紅の頬(ほお)をかすめ、常磐の目の前に突き刺さった。

「な……!」

 それは黒い影だった。視線だけをネロのほうへ向けると、ネロの背中から生えた漆黒の翼が伸びているのがわかった。
 麟紅の頬を、一筋の血がなぞった。