女性の名前は諸波(もろなみ)朽葉(くちは)。曰く、忍者、だそうだ。だそうだ、というのは麟紅が朽葉の忍術を見たことがないだけであって、自称とかそういうわけではない。
「じゃあお兄ちゃんは――?」
「璃寛は講義で少し遅れると言ってたでござる」
檸檬の幼稚な問いにも、朽葉は慣れた口調で返す。その間に、麟紅たちは事務所に上がり、部屋へと入る。
「でもたぶん、そろそろやってくるころなんじゃが……」
ぽろっと、朽葉が呟いた直後、外からバイクか何かがやってきた音がした。
「じゃあお兄ちゃんは――?」
「璃寛は講義で少し遅れると言ってたでござる」
檸檬の幼稚な問いにも、朽葉は慣れた口調で返す。その間に、麟紅たちは事務所に上がり、部屋へと入る。
「でもたぶん、そろそろやってくるころなんじゃが……」
ぽろっと、朽葉が呟いた直後、外からバイクか何かがやってきた音がした。

